歯にも神経が通っている！

歯を爪などでカチカチと叩いてみても、痛いとかかゆいとか、そういった感覚は全くありません。そのため、歯には神経が通っていないのでは？と思う人もいるかもしれません。歯の表面部分はエナメル質で覆われており、神経は通っていません。しかし、エナメル質のすぐ下には象牙質があって、そこに多くの神経細胞が通っているのです。歯医者で虫歯治療をする場合にも、エナメル質のみが虫歯の場合には、麻酔をしなくても治療が痛いという事はありません。しかし、虫歯が象牙質まで達している場合には、麻酔なしでは治療することができません。

象牙質の中に張り巡らされている神経は、歯の情報を脳に伝える役割をしています。虫歯菌に侵されれば、神経経路が脳に痛いという信号を送ってくれますし、歯の表面をコーティングしているエナメル質にひびが入っていたりしても、痛みとしてその情報を脳に伝えてくれます。歯の神経と絡み合うように毛細血管も象牙質部分に張り巡らされていて、歯に栄養分を送る役割をしています。

虫歯を放置したりして歯の神経まで虫歯菌に侵されてしまうと、歯医者に行っても破壊された神経を元通りにすることはできないため、抜歯という選択をすることになってしまいます。神経が破壊されてしまった自分の歯を残しておくと、歯が茶色く変色したり、虫歯がどんどん進行するリスクがあります。そのため、歯医者では、抜歯をして虫歯の進行をストップするとともに、審美的にも良い差し歯やインプラント、ブリッジなどの治療法を提案します。